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言葉

卵で何が作れるかわかってないと、思いつかない

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いつのまにか、読む本といえばビジネス書ばかりになっている自分がいます。少しでも仕事に役立てばと、人がすすめているビジネス書は片っ端から購入しますが、読むスピードが追い付きません。家の机に高く積まれた本を一冊一冊、地道に読んでいますが、読むたびに仕事力が増す実感がある一方で、なにかこう、人生が豊かになっていく感じがしないというか、心がやせていくような感覚があります。

ひさしぶりに小説を読んでみた。

ひさしぶりに小説を読んでみたいと思い、何の気なしに買ってみたのが『お探し物は図書室まで』でした。「2021本屋大賞第2位」「ギフトとしてよく贈られている商品1位」と、かなりの売れてるみたいですね。全然知らなかった…。昔はあんなに小説好きだったのに。ビジネス書もいいけど、たまに小説を読めるくらいのゆとりは大切にしたいものだな。とか思いながら読んでみたのでした。

(以下、ネタバレ注意)

仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が町の小さな図書室を訪れるオムニバス形式のストーリー。彼らの苦境を知ってか知らずか、不愛想な司書の小町さんが意外な本をセレクトするのですが、これが彼らの人生に変化をもたらしていきます。小町さんの強烈なキャラクター。5人の人生に明かりが差し込んでいく過程。そして5人の人生が微妙に交錯してくるあたりがおもしろく、爽やかな読後感でした。

素敵な言葉がたくさんありましたが、なかでも僕が一番印象に残ったのはこちらです。

卵で何が作れるかわかってないと、思いつかない

司書の小町さんからすすめられた『ぐりとぐら』を読み、そこに出てくる黄色いカステラ作りに挑戦する朋香。カステラを作りながら『ぐりとぐら』を読み返すうちに、あることに気づきます。ぐりとぐらは、いつものようにどんぐりや栗を拾いに森に入ったところで、思いがけず大きな大きな卵に出会った。そのとき彼らはすでにカステラの作り方を知っていたのだと。「卵で何が作れるかわかってないと、思いつかない」という友人の言葉を思い出しながら、何かをつかんだような気がする朋香でした。

よく言われる「知は力なり」という言葉を、卵料理に例えた名言。それが「卵で何が作れるかわかってないと、思いつかない」だと思います。作りかたを知らなければ、そもそも、それを作ろうとさえ思いません。仮に作ろうと思っても、一から試行錯誤しなければなりませんが、知っていればすぐに作れてしまう。転じて、人生における多くの問題は、その解決策を知っていれば難なく解決できるが、知らなければ大量の時間と労力を奪われ、解決できず悩み苦しみ続けることになりかねない。私たちが直面する問題の多くは、先人がすでに経験した問題であり、その解決策もすでに発明されていることが多い。それを知っているか知らないかで、人生は大きく変わってきます。「知っていることの大切さ」であり、「知らないことの恐ろしさ」でもありますね。

本書の言葉ではありませんが、似た言葉をひとつご紹介します。

私が彼方を見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです。

ニュートンが友人に宛てて書いた手紙の一節として有名ですが、元はフランスの哲学者、シャルトルのベルナールの言葉だといわれています。先人たちの発見・発明・思考の積み重ねを「巨人の肩」に例えているところが素敵です。万有引力を発見をしたニュートンですが、すべてが自分の手柄によるものではなく、先人たちの奮闘の積み重ねがあったからこそという、奥ゆかしくも科学者らしい冷静なメッセージですね。

いかがでしたでしょうか?『お探し物は図書室まで』まだ読んでいない方にはおすすめです(特に疲れているときに)。ちなみに僕は『ぐりとぐら』もあらためて読んでみたいと思い、買いました。子どもの頃に読んだ記憶の中のぐりとぐらと、実際のストーリーが全然違っていて、それはそれでおもしろかったですよ。

お探し物は図書室まで
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ぐりとぐら
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。あなたの人生にとって少しでもプラスになる情報をお届けできたらうれしいです。ではまた。

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